ひき始め&治りかけの対処法を医師が伝授! ※本記事は2020年1月8日に初掲載されました うがいや手洗い、マスク着用を正しく行い、免疫力を高める生活を心がけていたとしても、風邪を引いてしまうこともあるでしょう。しかし、風邪と一口に言っても、のどの痛みをともなう風邪や、寒気をともなう風邪など様々なタイプがあります。中医学においては4つの風邪の種類があるそう。それぞれのタイプに合わせた対策をとり、すみやかにケアしましょう。ゆるゆる漢方家の 櫻井大典さん に教えていただきました。 のどの痛みをともなう赤い風邪 風が「熱邪(ねつじゃ)」という余分な熱を連れて、体内に入ってきたのが「赤い風邪」です。ひき始めの段階ではのどに違和感や痛みがあり、だんだん熱っぽさが増していきます。鼻水は黄色く、口やのどが渇いてだるさを感じます。赤い風邪に葛根湯は逆効果です。 対策:のどの痛みには板藍茶(ばんらんちゃ)か銀翹散(ぎんぎょうさん)を飲む のどによい板藍茶は中国で長く伝えられている養生法。また、のどの痛みや咳をともなう風邪によい漢方といえば「銀翹散」。マスクや加湿器を活用し、乾燥対策も欠かさずに。 花粉症対策は冬のうちからが吉!? 専門家が教える簡単にできる"養生" 寒気をともなう青い風邪 風が「寒邪(かんじゃ)」という体の熱を奪う邪気を連れてきたのが「青い風邪」です。ゾクゾクと寒気がする状態から始まり、水っぽい鼻水や痰が出ます。厚着をしても寒いことも。のどが渇くことは少ないですが、手足が冷え、体のふしぶしに痛みがあらわれます。 対策:体を温める葛根湯を飲む 寒気をともなう風邪こそ「葛根湯」の出番。ただし、葛根湯は飲むタイミングが重要。寒気を感じたらすぐに飲みましょう。また、体を温める「しょうが湯」もおすすめ。 <舌で今すぐ内臓の状態をチェック>色、苔の様子、歯形の有無で健康かどうかがわかる! 空咳をともなう乾いた風邪 風邪が長引いたときにみられる「乾いた風邪」は、風が乾燥した空気である「燥邪(そうじゃ)」を連れて体内にとどまっている状態です。空咳が出て口が渇いて少量の痰がからむものの、出しづらく、皮膚も乾燥しがちになります。さらに便秘になりやすいです。 対策:乾燥した咳にはとにかく潤い補給を 乾いた咳が出るときは潤い補給が大切。補陰(ほいん・水を補う)の力があるれんこんと梨をジューサーにかけて飲んだり、漢方薬の「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」を飲んで潤いを補いましょう。 不眠に効く"養生"を専門家に聞いた!
眠れないときはスクワットがよい? 下痢をともなう湿った風邪 ジメジメと湿気の多い風邪が「湿邪(しつじゃ)」となり、体に入り込んだのが「湿った風邪」。特徴は下痢や嘔吐をともなうこと。そのほか、胃の痛みやむかつき、食欲不振の症状が出て、鼻水や痰が多く出ることも。このときの下痢は止めずにとにかく出すことが重要です。 対策:赤じそでつくるしそ茶で脾胃をケア 体内の余分な水分である「湿」をとり除くために、胃腸の働きを整えて解毒する赤じその葉を細かく切ってお湯で煮出した「しそ茶」を。細かく切ったしょうがを入れてもOK。 しょうが味噌の食べ方は無限大! アレンジ自在で冷え知らず! TJ MOOK『祖父の代からの漢方家で育った私が教える ゆるっと養生』 監修/櫻井大典 編集・制作/株式会社レクスプレス、杉浦美佐緒 イラスト/michi 冷却シートを貼る場所は?おでこは逆効果?正しい風邪の治し方を医師が伝授! 風邪を引いてしまったら、1日も早く治したいものです。ここでは、医学博士の 清益功浩先生 に、風邪を早く治したいときに食べるといい食べ物や、冷却シートを貼る正しい場所について教えていただきました。 風邪が早く治る食べ物・食べ方は? 水分・塩分をしっかり摂る 水分・塩分をしっかり取る 発熱による発汗や嘔吐、下痢などの症状で、水分や塩分が失われがち。梅干し入りのおかゆなどだと、うまく補給できます。 消化がよく、体を温める食材を うどんなど、胃の負担にならない、消化のよいものがいいでしょう。発汗を促すしょうがや鎮痛効果のあるしそなどの薬味を添えて。 フルーツはOK? 胃腸系の風邪のときは、胃にやさしく、消化のよいりんごを。逆に、柑橘類は胃に負担をかけてしまうので避けましょう。 のど・せきにはハチミツ大根 消炎作用があり、のどの腫れやせき、痰にいいとされる大根。カット大根のはちみつ漬け「はちみつ大根」は昔ながらの養生法です。 体温を上げると風邪が早く治る? ウイルスに感染した体は、免疫細胞を活性化させるため、自然と体温を上げようとします。発熱は、ウイルスを体外に排出するために大切です。 解熱剤の使い方 無理に熱は下げなくてOK。熱のために水分が摂れない、食欲がないなどの状況が続いた場合、体力の消耗を避けるため、使うこともあります。 風邪のとき、お風呂に入ってもいい? 風邪でも、さっとお風呂に入っても構いません。入浴後、1時間はおき、発汗を促して熱を下げてから就寝すること。そのとき、水分とともに塩分などの電解質が失われるので、専用飲料で補給を。 風邪のとき、冷却シートを貼る場所は?
風邪のとき、冷却シートの貼る場所は? 高熱が出たときに、おでこを冷やす人が多いですが、実は間違い。解熱効果を期待するのであれば、首の左右や脇の下、脚の付け根など、太めの動脈の通っているところを冷やしましょう。 (リンネル2019年2月号) illustration: Kayo Yamaguchi text: Kaori Akiyama 風邪には葛根湯? 汗をかくと治る? ひき始め&治りかけの対処法を医師が伝授! ※本記事は2019年7月10日に初掲載されました 季節を問わず、ちょっと油断するとかかってしまう風邪。少しでも早く治すため、葛根湯を飲む、たくさん汗をかく、温かくしていっぱい寝る……など、効果的だといわれる方法をいろいろと試しているはず。ですが、どう対処するのが正解なの? 芝大門いまづクリニックの今津院長に尋ねてみました! 風邪&インフルエンザの予防・対策に効果大!医師が教える食習慣 風邪は「ひき始め」と「治りかけ」で対処法が違います! 「風邪は、熱が上がり免疫機能が活性化する『ひき始め』と、ウイルスが減って熱が下がり始める『治りかけ』で対処法が変わります」(今津院長) では"ひき始め"と"治りかけ"、それぞれのタイミングで取るべき対処法を見ていきましょう! 風邪のひき始めには葛根湯と白湯 「風邪のときは汗をいっぱいかく」は、この段階ではNG。体温を上げつつ、消化のいいものを食べて体力をつけて。 水分補給はしっかりする 脱水症状が怖いので、水分補給は必要です。ただし、冷たいもので体を冷やすのはNG。白湯や温かいスポーツドリンクがおすすめ。 風邪によい食材は? 体を温めるショウガやネギなどの薬味を入れたうどんや、抗炎症作用があるたまごを入れたおかゆ、卵酒などもおすすめです。 風邪薬はどうする? 市販の風邪薬は、症状を抑えるための対症療法。風邪のひき始めに、葛根湯など、発汗をうながす薬を白湯で飲むのがおすすめ。 高熱のとき、おでこに冷却シートは意味がない!? おでこなどに貼る冷却シートですが、ひんやり感じるのは貼った直後だけ。そのあとはむしろ保温されてしまうので、氷枕が◎。 熱があるときにお風呂に入ってもよい? 風邪のひき始めで体力があるなら、お風呂で温めてOK。鼻水がひどいときは、37℃の湯で足湯をすると、鼻水が止まります。 風邪ひきさんはマストハブ!イガイガのどや鼻づまりに効く神アロマ 風邪の治りかけは水分&栄養補給を 汗が出始めたら、ウイルスとの戦いはピークを過ぎた証拠。体にたまった毒素を出して、体力を回復させて。 冷たい飲み物を飲んでもよし 治りかけで熱が下がりつつある時期は、汗をかいて、水分が不足しているはず。冷たいもので水分補給をしてもOK。 消化のよいものでしっかり栄養を 治りかけでまだ食欲がないときも、おかゆやうどんなど消化のよいものでしっかり栄養補給をして、体力を回復させて。 利尿作用のあるフルーツを食べる 体のなかの毒素を出すためによいのは、利尿効果のあるカリウム豊富なバナナやミカン。水分補給&体力回復をしましょう。 「あれ?
「3ステップうがい」のやり方 口の中、のど、のどの奥までしっかりうがいできる「3ステップうがい」を習慣に! 1.水道水を口にふくみ、ブクブクさせます。 2.顔を少し上げて、のどの奥でガラガラさせます。 3.頭を左右に傾けてのどの両側をゆすぎ、水を吐き出します。 【オススメ記事】 風邪は種類別にケアが必要? 対策はスピードが命! 抗生剤はかぜに効かないってホント!? 知っておくべき医療の知識 マスクはフィットしていなければならない 電車やバスの車内、映画館や劇場などの人が密集した空間では、マスクが欠かせません。 「マスクをしても隙間があいていればウイルスや細菌が侵入してしまうので、顔にぴったりした形状のものを使いましょう。使い捨ての不織布マスクが最適ですね。ガーゼのマスクは生地の目が粗いので、ウイルスや細菌を通してしまう恐れも。ただ、ガーゼは肌にやさしく、湿気を保ってくれます。ガーゼのマスクの上に不織布マスクを重ねると、肌荒れしにくく、のどの潤いも保てるので万全です」(今津先生) マスクの効果 ガーゼマスクでのどを乾燥から守り、不織布マスクでウイルスや細菌の侵入を防ぎます。 冷却シートの貼る場所は首や脇の下? 正しい風邪の治し方を医師が伝授!